Br.Caracole

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Br.Caracole  カラコル醸造所

カラコルとはかたつむりを意味し、何にしても動じず、あわてない事やゆっくりと話すというナミュール州の人々に因んで名付けられた。

ベルギー南部ナミュール州のディナンから車で10分もかからないファルミニュールにある小さな小さな醸造所である。1990年にナミュールで創業し、1994年に現在の場所にて本格的に醸造を開始した。

カラコル醸造を説明するために、まずベルギーの中でも観光地でもあり、素晴らしい町並みを誇るディナンの町を知る事も重要だ。

ブリュッセルから高速を走って1時間半~2時間程、ディナンの町のために高速をはずれるとすぐにムーズ川が目の前に現れる。案内の表を眺めれば左に行けばカラコル醸造所、右に行けばディナンの街が見える。サイン一番下にBrasserie Caracoleとの表記がわかるだろうか。

写真中央左の岩の割れ目を通っていくとディナンの街が現れてくる。街の中から上の方に城壁(後に記載する)
そして、下記写真の真ん中下に見えるのがノートル=ダム教会である。

ノートル=ダム教会の中にも入る事が出来る。

この教会は12世紀に建立されたが、拡大やフランス軍によっての破壊、ネーデルランドによる復興など幾多の出来事を乗り越えて現在に至る。

余談だが、ディナンは、西フランダースと同じく第一次世界大戦の戦場と化した場所でもある。

日本人とは違い、ベルギーでは第2次世界大戦よりも第一次世界大戦で主戦場となった場所では、第一次世界大戦の方が強く記憶として刻まれている所も多い。

すぐノートル=ダム教会のすぐ隣からロープウェーで城壁へ。16世紀につくられた石段で登る事ができる。

1050年に城が築かたが、現在の姿は19世紀以来のものだそうだ。写真上のように横手にノートルダム教会を眺めながら登る。

山の高さは100メートル程あり、一気にムーズ川のほとりに開けた町を一望する事が出来る。まるでおとぎ話のような一景色だ。

昔の兵士達が使ったであろう城壁の穴からディナンの町を眺めるのも楽しい。

ディナンの町はサクソフォンを発明したアドルフ・サックスが生まれた場所としても知られている、その由縁もあり4年に一度国際サックスコンクールが開かれるという。町中にはアドルフ・サックス通りがあり、写真ではわかりづらいが2m程大きなサクソフォンも飾られている。

カラコル醸造所の「カラコル サクソー」にはカタツムリ(カラコル)がサックスを持つラベルとなっている事からも地元に密着したビールである事がわかる。

カラコル サクソーはカラコル醸造所のビールの中で最も好きなビールのうちの一つで、2009年には醸造所本格稼働15周年を記念してサクソーゴールドが醸造された。

ディナンの町の城壁から見えた丘を車で上っていくとカラコル醸造所が現れる。カラコル醸造所といえば世界で唯一とも言われる薪火によるビール醸造を行う醸造所である。薪もこの醸造所の近くから調達している。

この場所には元々1971年まで醸造所があり、現在のカラコル醸造所は1995年にこの所へ移転してきた。このような車を見つけると醸造所に来たんだなと感じる。

この釜にてまず湯をわかして糖化釜に加えてインフュージョン法と呼ばれる糖化行程(麦芽のでんぷん質を糖化して二糖類に変えていく行程でビールの味わいを決める重要な行程)を行う。

水をわかすだけでなく糖化の後に熱してホップの煮沸にもこの釜の一つを使う。糖化方法のインフュージョン法、デコクション法については別の機会で述べたいが、ベルギーでは私の見る限り、インフュージョン法がほとんど。

ベルギーの場合はこの糖化行程に特色があるというよりもこの後に行うホップを加える際に直火にて熱を加える行程に特徴がある。このカラコル醸造所もそうだ。他にはデ・ランケ醸造所、ルル醸造所、デュポン醸造所など。

マイケル・ジャクソン氏も直火に関して彼の著書にも軽く触れて麦汁のキャラメライズが行われ、味わいに特色が出る事を述べている。

カラコル醸造所、ルル醸造所、デュポン醸造所に通じるワロン地方のビールに多い甘みはこの行程による部分もあるはずだ。デ・ランケ醸造所は生のホップを使用している事から直火を使っている事もあり少し理由が違う。少しマニアックな話になってきたのでここから先はお店で私を見つけたら聞いて欲しい。話を戻そう。

釜の下はこのように、この町の近くから調達した薪にて熱せられる。

糖化行程はこちらの釜にて行われる。糖化中に上部を解放するのもベルギーの昔からの醸造所ならではだ。これもブリュッセルから南の醸造所に多い(それほど多くもないのだが)。あまり内部を一般の方には見せたがらないのであまり写真を載せない事にする。

発酵タンク、熟成タンクをこう見ると非常に大きく見えるが、非常に小さい醸造所だ。アメリカ等ではスタートアップですぐにこれくらいの醸造所が多い。

皆さんの飲まれているノストラダムスもこうして作られている。

通常は週末、夏には毎日醸造所併設のカフェがあり、彼らのビールを楽しむ事が出来る。カフェにておみやげのビールを買う事も出来る。レジの横にはやはりかたつむり(カラコル)がお出迎え。

いちカラコル醸造所のファンとして、醸造所にて彼らのビールを醸造家のトングレーといただくのが一番の楽しみでもある。

実は私が醸造家のトングレーに輸入したいと申し出て二年程は、自国、他国への輸出で精一杯で輸出する気がないと言っていたが、あるとき、醸造所にて彼からいきなり輸入の話が始まり、下記のように友情の約束としてこの醸造所のシンボルでもある薪を一緒に釜に投入して今に至る。

さて、醸造所を出てディナンの町に戻って車ですぐにとある修道院がある。レフ修道院だ。

現在は、ヒューガルデンなどのブランドも所有し、バドワイザーでさえ買収した現アンハイザーブッシュ・インベブ社の修道院ビールとして有名であるレフ修道院だが、実はこのディナンの町に存在する。私は特にこの修道院と関係もないので観光客気分で写真を撮る。

レフ修道院がライセンス生産としてレシピを通常の醸造所に預けたのは1952年である。実はセント・シクステュス修道院がセント・ベルナルデュス醸造所にレシピを預けたのは1946年ともっと古いのである。当初レフを醸造していた醸造所は1977年に当時のアルトワ社(現アンハイザーブッシュ・インベブ社)に買収されてレフのブランドは引き継がれた。

実はこの修道院を通るのには理由がある。ここからデュ・ボック醸造所付近の丘を車で走るのが非常に気持ちがいいのだ。フランダース地方の平坦な道からワロン地方はなだらかな丘陵地帯が増えていく。その典型的な場所でもある。

ベルギーやオランダは元々風車の国。風力発電も数多く見つける事が出来る。夏の季節はなんとも言えない最高の気分だ。

そしてデュ・ボック醸造所へ。ここからまた長くなるので機会があれば紹介していきたい。

 
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